
働いても金がない、そんな現実
給料日。
本来なら一番うれしいはずのこの日が、当時の俺にとっては「消える日」だった。
銀行口座に振り込まれた給料が、朝のうちに全額消える。
リボ払い、キャッシング、友達への返済、そして……パチ屋の誘惑。
気づけば、財布の中には千円札1枚。
そんな生活を繰り返しているうちに、とうとう手をつけてはいけない場所――家賃にまで手が伸びた。
家賃が払えない。でもパチンコには行く
「今月は家賃後回しで……まあ、来月なんとかすればいいか。」
そんな甘い見通しのまま、気づけば2ヶ月分の家賃を滞納していた。
部屋のポストには『家賃支払いのお願い』という紙が定期的に届くようになり、それを丸めてゴミ箱に捨てる日々。
スマホの通知も無視。番号も着信履歴も見ないようにしていた。
でも、そんな現実逃避が通じるわけもない。
「お電話よろしいでしょうか?」地獄の電話が鳴る
ある日の昼、会社を休んでパチンコを打っていたとき。
知らない番号から着信。なぜか背中に冷たい汗が流れた。
電話に出ると、低いトーンの声。
「○○不動産です。家賃の件で一度ご連絡を……」
心臓が止まるかと思った。
思わず電話を切り、そのままスマホの電源を落とした。
隣の台で当たりを引いた音が鳴っていたけど、まるで遠くの世界の出来事のようだった。
金がないと「住む場所」すら失う
それから数日は、眠れない夜が続いた。
帰宅するたび、「今日こそ鍵が開かないんじゃないか」と怯えた。
部屋を失ったら、仕事も失う。実家には帰れない。もう逃げ場がない。
最終的に、メルカリでゲームを売り、給料日までのつなぎとして友達にまた頭を下げて借金。
どうにか支払って、立ち退きにはならなかったけど、そのとき本当に思った。
「金がないって、住む場所すら奪われるんだ」

生活の土台を守ることの大切さ

今でこそ、少しずつ副業で稼げるようになって、家賃を前払いできる月もある。
でも当時の俺には、「まず生活の基盤を守る」という当たり前の感覚すらなかった。
パチンコの勝ち負けに一喜一憂して、家賃よりも台選びの方が重要だった。
この経験から学んだことがある。
・督促は無視しても消えない
・住む場所は人生の土台
・借金まみれの時ほど、冷静さが必要
今、家賃が払えず悩んでる人がいたら、まずは誰かに相談して。
そして、できればギャンブルからは少し距離を置いてほしい。
あの頃の俺みたいには、なってほしくないから。


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