借金とかお金の話

【借金まみれの男が保険を解約】目の前の5,000円が命綱だった話

「今を生きる」ために積み立てをやめた日

借金まみれだった当時の俺は、毎月の支払いに追われていた。家賃、光熱費、携帯、リボ払い、消費者金融への返済。

毎月、給料日から1週間で口座は空っぽになり、残るのは請求書と通知だけ。

そんなある日、いつものように銀行口座を確認すると、目に飛び込んできたのは「保険料引き落とし 5,000円」の文字。

「は? なんでこんなときに…」

そう思った瞬間に思い出した。数年前、会社員になったばかりの頃、「何かあったときのために」と契約した積立型の保険。

あの頃は“将来”なんて言葉が似合ってた。でも今の俺は、“今日”を生きることで精一杯だった。

たった5,000円。

でもその5,000円が、今週の食費、交通費、ギリギリの命綱だった。

「保険なんて、余裕のあるやつがかけるもんだろ」

そう開き直って、俺は保険会社に電話をかける決意をした。

保険解約の電話は、想像以上に心がえぐられる

コールセンターに電話するまでに、実は2時間以上スマホを握って迷っていた。

「これって、将来の自分に対する裏切りじゃないか」

「もしかしたら、また正社員に戻って安定した生活ができるかもしれない。そのとき後悔するんじゃ…」

「でも今このままじゃ、そもそも生き延びられないかも」

そんな葛藤を繰り返して、ようやく電話をかけた。

「解約をご希望とのことですね。差し支えなければ理由をお聞かせいただけますか?」

この一言が、なぜか一番胸に刺さった。

「生活がちょっと苦しくて…」

この“ちょっと”という言葉に、どれだけの絶望を詰め込んでいたことか。

相手はとても丁寧だったけど、俺のプライドはじわじわと削られていった。

でも、最後に返ってきた言葉が救いだった。

「返戻金として約2万7,000円がございます。ご指定の口座にお振込みいたします」

思わず「マジか…」と小声でつぶやいた。

それは、今の俺にとって“ボーナス級”の金額だった。

解約して得たものは「現実」と「少しの安心」

返戻金2万7,000円。

そのおかげで、その月の家賃を滞納せずに済んだ。

水道代も払えて、止まる直前だった携帯もなんとか維持できた。

もちろん、失ったものもある。

将来の保障。

“安心感”という名の保険証書。

でも俺は思った。

将来のために今が潰れたら、本末転倒じゃないか?

保険って“もしものため”だけど、今の俺にとっての“もしも”は、明日ご飯が食べられないことだった。

そしてもうひとつ、毎月の支出が5,000円減るという事実が、精神的にも大きかった。

借金生活では、たった数百円の固定費が命取りになる。

何より、「自分で状況を少しでも変えられた」という実感が、前に進む勇気になった。

同じように苦しんでる人へ伝えたいこと

 

もしあなたが今、「毎月の支払いが地獄」「何を削ればいいのかもわからない」って状態なら、固定費の見直しは本気でおすすめしたい。

保険、サブスク、保証プラン、習い事の月謝。

“いつか必要かもしれないもの”が、今の自分の首を絞めている可能性がある。

もちろん、「将来を切り捨てる」のは怖い。

でも、将来を迎えられないほど今が苦しいなら、順番が違う。

俺は保険を解約したことで、「今月もなんとか乗り切れた」と胸を撫で下ろせた。

そして、その経験が「他にも見直せる支出があるかもしれない」と思うきっかけにもなった。

借金を抱えていると、どうしても目の前しか見えなくなる。

でも、ほんの少しでも前に進めたとき、見える景色は確実に変わる。

この2万7,000円がなかったら、俺は確実にアウトだった。

生きるために、自分を守るために、あのときの選択は間違っていなかったと思う。

そんな俺でも、少しずつだけど、今は“未来”を考えられるようになってきた。

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