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完済の日は、想像してたほどドラマチックじゃなかった
「借金を完済したら泣くかな」
「大の字で寝転んで『終わったーー!!』って叫ぶかな」
――そんな想像をしてた。でも、実際の完済日は全然違った。
ATMに向かって、最後の3万円を振り込んだあと、スマホのアプリで残高が「0円」になってるのを確認して…その瞬間、
**「……え、これで終わり?」**って思ったのが正直な感想。
嬉しさより、どこか虚無感に近かった。
借金まみれでボロボロだった5年間、あまりにも長すぎて、終わったことを実感できなかった。
思い返せば、地獄みたいな5年間だった
借金生活は、想像の10倍しんどい。
「苦しい」って言葉だけじゃ足りない。
- 返済日の朝は毎回お腹痛くなってた
- 残高5円で5日間過ごした
- 携帯も電気も止まった
- パチンコに逃げて自己嫌悪して、また借金が増えて…
- あの頃の自分は、生きてるだけで精一杯だった。
誰にも相談できなかったし、家族にも嘘をつき続けた。
毎日、心の中で自分を責めてた。
だから、最後の支払いが終わっても、「やったー!」ってならなかったのかもしれない。
なんかこう、「ただただ終わった」ってだけの、静かな時間だった。
完済してから、本当の戦いが始まった
借金を完済したら、人生が急に好転すると思ってた。
でも現実はそんな甘くない。
完済後の生活って、いきなり“自由”になって戸惑う。
これまでは「返済するために働く」が当たり前だったから、いきなり手元に自由なお金が残ると逆に怖くなった。
「これ、またギャンブルに使ったらどうしよう…」っていう不安も常にあった。
返済が終わった=人生が完成じゃなくて、むしろここからがスタートなんだと気づいた。
借金に縛られていた時間がなくなって、ようやく「これからどう生きるか」を考えられるようになった。
借金を返すだけじゃ、人は変わらない
ここが一番大事なんだけど、借金を返しただけじゃ人は変われない。
大切なのは、「なぜ借金したのか」を自分でちゃんと理解して、同じ道を繰り返さないこと。
俺はギャンブル依存と向き合うために、依存症について本を読んだし、毎月の収支をノートに書き出して「視覚化」するようにした。
小さな習慣だけど、それが「次はもう借金しない」って決意につながってる。
完済はゴールじゃない。
「もう二度と、あの地獄に戻らない」って決めるスタート地点。
借金完済は“人生を取り戻す瞬間”だった
あの日、静かに完済したあとの帰り道。
コンビニでおにぎりと缶コーヒーを買って、ベンチに座って空を見た。
そのときやっと、心から思えた。
「俺、ちゃんと終わらせたんだな」
しんどかった5年間も、間違いなく自分の人生だった。
逃げずに向き合って、働いて、反省して、ようやく完済した自分を少しだけ誇りに思えた。

借金は人生を狂わせる。でも、終わらせることはできる

この記事を読んでくれてる人の中には、今まさに借金で苦しんでる人もいるかもしれない。
「終わりが見えない」って思ってるかもしれない。
でも俺は言いたい。
借金は、必ず終わらせることができる。
時間はかかるかもしれないし、心が折れそうになる日もある。
けど、ちゃんと働いて、ちょっとだけ考え方を変えれば、必ず「完済の日」はやってくる。
そしてその日は、静かだけど、確実に人生の分岐点になる。
俺は、あの日から少しずつ、人生を取り戻してる。
