底辺飯シリーズ

【底辺飯シリーズ⑤】粉と水だけのお好み焼き(もどき)は意外とうまい説 〜金がなくても小麦粉があれば戦える〜

金がない日の冷蔵庫は本当に静かだ。
開けた瞬間、冷気より先に絶望が出てくる。
野菜室はスカスカ、肉なんて夢のまた夢。

でもそんなとき、キッチンの棚を探ると、必ずあるものがある。

小麦粉。

もう何ヶ月も使われずに眠ってる小麦粉。
この粉がある限り、俺はまだ戦える。
今日はその話をしよう。


■ 粉と水だけで「それっぽいもの」は作れる

この日は、給料日前。
財布には150円。
でもコンビニ行ったら一瞬で溶けるし、下手に残しときたい。
そんなとき、台所に転がってたのが小麦粉。

「これ、水で溶いて焼けば…何かになるんじゃね?」

そんな発想から生まれたのが、
“具なしお好み焼き(もどき)”だ。

レシピなんて偉そうなものはない。

  • 小麦粉に水を適当に混ぜる

  • ほんの少しだけ塩(あれば)

  • 焼く

これだけ。


■ 焼いてるときの香りでちょっと幸せになる

フライパンに油をひいて、流し込む。
「ジュワ〜」って音がした瞬間、マジで少しだけ心が救われた。

焼ける音と匂いって、なんであんなに人間を幸せにするんだろうな。

ひっくり返して両面焼けたら完成。
見た目は完全にお好み焼き。
でも、中身は粉と水だけ。

それを箸で割って一口。
味は……うん、ただの粉。

でもな、不思議とウマいんだこれが。


■ ソースとマヨは魔法のアイテム

この粉焼きに、一撃で革命を起こすのが、
ソースとマヨネーズ。

塩気もコクも甘みもない粉焼きが、一瞬で“お好み焼き風”に変わる。
もう、完全に脳が錯覚するんだよ。

「今、お好み焼きを食べてる…!」って。

貧乏めしのテクニックは、脳をいかに騙すかに尽きる。
俺の場合は、この粉焼きを食べるとき、脳内で「お祭りの屋台」をイメージするようにしてた。
そしたら少しだけ豪華な気分になれる。


■ 具がないと嘆くな。粉だけで十分だ

よく「小麦粉だけだと栄養が…」って言う人がいるけど、そんなの知ってる。
でも、金がないときは栄養より「空腹をどうするか」が最優先。

しかもこの粉焼き、めっちゃ腹にたまる。
胃の中で膨らむから、食べ終わった後しばらくは苦しくなるくらいだ。

腹を膨らませて、今日をやり過ごす。
これも立派なサバイバル戦術。


■ 貧乏生活が教えてくれた、小さな幸せ

この粉焼きを食ってるとき、「これが俺の人生かよ…」って情けなくなることもあった。

でも逆に、「粉だけでもなんとかなる自分、ちょっとすげぇな」って思う瞬間もあった。

周りは給料で焼肉だの、居酒屋だの言ってるのに、俺は粉と水で命を繋いでる。

でも生きてる。ちゃんと今日も腹は満たされてる。
それだけで、意外と悪くなかったりするんだ。

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【まとめ】粉がある限り、俺たちはまだ戦える

・小麦粉は底辺の救世主。水で溶いて焼けばメシになる
・ソースとマヨがあれば、なんでも“ごちそう”になる
・腹が膨れたらそれで勝ち。栄養はまた今度考えろ
・今日も生き延びた。それだけで十分偉い


次回は「スーパーの半額刺身はギャンブルだけど当たった時の幸福度ヤバい説」を語ろうと思う。

腹いっぱいになった今なら、明日もなんとかなる気がする。
俺たちは、粉と水で今日を勝ち取ったんだからな。

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