
~真夏も真冬も、最強の居場所だった過去を語る~
目次
■ 夏は避暑地、冬は避難所。それがパチ屋。
ギャンブル依存症って、単にお金を賭けたい病じゃない。
それ以上に、「居場所を求めてる病」だったりする。
これは僕が借金まみれで、部屋のクーラーも暖房もまともに使えなかった時期の話。
クーラーをつけたら電気代が怖い。
暖房つけたら灯油代が痛い。
でも、どこかに“無料で過ごせる天国”はないかって探してた。
そして辿り着いたのが、「パチンコ屋」だった。
パチ屋の空調って、マジで神。
真夏でもキンッキンに冷えてて、
真冬でもあったかくて眠くなるくらい快適。
「いや、打たなきゃええやん」と思うかもしれない。
けど、入店=誘惑との戦いなんよ。
■ 入店した瞬間の「別世界感」

ドアを開けた瞬間に感じる、あの冷気。
真夏だったら天国すぎて、正直ちょっと笑っちゃう。
汗だくで自転車こいできて、
財布には1,000円しかなくて、
それでも冷房に吸い寄せられて入ってしまう。
トイレを借りるついでに、ちょっと店内を一周。
なぜか空いてる台が良く見えて、
「1000円くらいなら…」と座ってしまう。
結果?
負けて帰る。でも涼しかったから許す。
この思考、今思えばほんとヤバい。
■ パチ屋は“ホームレス予備軍”のオアシスでもある
冬の話もしよう。
寒すぎて手がかじかんで、家でも凍えて、
エアコンは壊れてるし、カイロ買う金すらない。
そんな中、パチ屋の自動ドアが開いた瞬間――
**「ここ、天国かな?」**って思った。
暖房でふわっと包まれる感じ。
しかもトイレはあったかいし、
自販機の缶コーヒーもホカホカ。
そのとき思ったのは、
「もうここに住みたいな」ってこと。
たぶん俺、あと一歩で漫画喫茶に住んでた。
■ 打たずに帰れる日は、超レア
もちろん「空調だけ借りて帰る」つもりで入るんだけど、
それができるならギャンカスじゃない。
ちょっと冷えたら、「運試しでもして帰るか」ってなる。
ジャグラーのペカ待ちで暖を取る冬。
パチンコのガロで爆音を浴びながら涼む夏。
その結果、負けて汗かいて帰るんだけど、
それでもなぜか「今日もいい時間だったな」とか思ってる。
ほんと、思考回路バグってた。
■ 本当に空調が欲しかっただけなのか?
今振り返ってみると、
空調が恋しかったのはもちろんあるけど、
「安心できる場所」が欲しかったのかもしれない。
誰にも見られず、誰にも責められず、
ただそこにいるだけで、否定されない場所。
騒がしさがちょうどよくて、
タバコのにおいも、むしろ落ち着く。
居場所がない人間には、
パチ屋はたしかに“居心地のいい地獄”だった。

■ まとめ:空調目当てで入るな(でも分かる)

この記事を読んで、
「そんな理由でパチンコ屋行く人いるの?」って思った人もいるだろう。
いるんだよ。それが、昔の俺だった。
たぶんあの頃、家にいても心が寒かった。
誰とも関わりたくなくて、でも一人じゃいたくなくて。
パチ屋の空調に包まれながら、
「ここにいれば、何も考えなくていい」って思ってた。
空調の良さを語るだけで、
こんなに思い出がよみがえるのもヤバいけど、
それくらい、パチ屋っていう場所が“居場所”だったんだなと思う。
今でも、夏の暑い日にパチ屋の前通ると、
「ちょっと入って涼みたいな…」って思う瞬間がある。
でも、その先に何が待ってるかを、今は知ってる。
だからこそ、この記事を書いてる。