底辺飯シリーズ

【底辺飯シリーズ②】スーパーの半額シール、命の輝き

 

〜底辺の夜は、タイムセールに懸けろ〜

18時を過ぎると、体がソワソワしてくる。

時計を見るたび、胸の奥がザワつく。

仕事でもデートでもない。俺が向かうのは――近所のスーパー。

そう、“半額シール”との戦いが始まるのだ。

貧乏人にとって、スーパーのタイムセールは戦場だ。

一枚の黄色いシールに、今日一日の希望が詰まっている。

■ 18時45分、勝負の時間

俺が通ってたスーパーは、19時すぎからタイムセールが始まる。

でも、19時に行ってちゃ遅い。

19時に“シールが貼られる”んじゃなくて、貼られた直後にはもう“争奪戦”が始まってる。

経験則として、18時45分には現場入りするのがベスト。

まだ貼られてないけど、カゴを持ってウロウロしてる“同士”たちが何人かいる。

目を合わせたら負け。

変な連帯感なんかいらない。ここは戦場だ。

■ 半額シールは“光って見える”

19時ちょうど。

店員がカートを押して惣菜コーナーにやってくる。

この瞬間、全員が動く。

スマホいじってたフリしてたオッサンも、やたら長い時間キャベツ見てた主婦も、一斉に群がる。

貼られた瞬間の半額シールって、本当に“光って”見えるんだよな。

ハンバーグ弁当398円 → 199円。

唐揚げパック298円 → 149円。

焼きそば198円 → 99円。

これが俺たちのディナータイム。

■ 半額なのに「買えない」恐怖

でもな、半額になったからといって、買えるとは限らない。

その日の残金が100円未満だったとき、

目の前で貼られた焼きそば99円を、他の人がスッ…と取っていくのを見て、俺は泣きそうになった。

半額シールは、見つけるものじゃない。

“手にできたかどうか”が全てなんだ。

財布の中身と相談しながら、

「あの唐揚げは無理だけど、このコロッケならいける…!」って選択を迫られる。

地味だけど、これが底辺の現実。

■ あの時の勝利飯、今も忘れられない

一度だけ、最高の戦果を得た夜がある。

  • 唐揚げ弁当(半額で198円)
  • ポテトサラダ(半額で49円)
  • インスタント味噌汁(家にあった)

これをトレーごと部屋に持ち帰って、風呂にも入らず一気にかき込んだ。

B級グルメでもない。高級感もゼロ。

でも、心から「勝った…」って思えた夜だった。

食ってる途中、何回も「うまっ…」って声が出た。

味は、そりゃ普通の弁当だよ。

でも、自分の足で歩いて、タイミング見て、金額と相談して掴んだメシだからこそ、価値が跳ね上がるんだ。

■ なめるなよ、底辺の知恵と嗅覚

よく「節約術」とかで“スーパーは夜に行け”って書いてあるけど、

あれは“知識”じゃなくて“生存本能”だ。

俺たちは日々、タイムセールの情報を血眼で集めて生きてる。

  • どのスーパーが何時に貼るか
  • 貼る店員がどのルートで回るか
  • 割引率が高い曜日はいつか

このあたりの“地元スーパー情報”は、マジで命綱だ。

割引の流れを把握してるかどうかで、生き延びる確率が変わる。冗談じゃなく。

【まとめ】半額シールは、貧乏人のプライドだ

・18時台に現場入りして、空気を読む

・貼られた瞬間に迷わず手を伸ばす

・買えたら“勝利飯”、逃したら“絶望の夜”

・半額に救われた日々は、バカにできない“生存記録”

タイムセールで食いつないだ夜。

それが惨めだって? 笑わせんな。

金がなくても、プライド持って生き延びてきたんだ。

次回は、「うどん一玉19円、神食材説」について語ろう。

俺たちは今日も、知恵と工夫で“食って”生きていく。

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